国語力がない子の共通点

 

「国語力はすべての科目の土台となる」と言われるように、国語力をつけることなくして、学力の向上は望めません。

 

また、大人になってからも、「コミュニケーション能力」としての国語力は、社会において生きてゆく上で、極めて大事な能力の1つだと言うことができます。

 

しかし、国語力がない子にとっては、「国語力をつけよう。」と言われても、どうつけたらよいのか、皆目見当がつかないことでしょう。

 

そこで、私がそういう子たちを指導する際にお伝えしていることにつき、書いてゆきたいと思います。

 

国語力がない子には、いろいろなパターンがありますが、その共通点の1つをここに挙げてみます。

 

 

 

周りの大人が補いすぎる

 

今日、こんなことがありました。

 

「先生、宿題、塾の先生がまだ見れてないから、先生に見せれない。」

 

「ら抜き言葉」は置いておいたとしても、全くもって意味不明な内容です。

 

で、

 

「え⁉︎どういうこと⁈」

 

と聞き直したところ、

なんと、その子は逆ギレしたのです(笑)。

 

「えぇ⁈どういうことって…わかるやん!」

 

…いやいや。わかるわけないやん(笑)。

で、なんでこんなことになるかと言うと、

 

お父さん・お母さんをはじめ、周りの大人たちが、

 

その子の「意味不明な発言」の意味を汲み取って、補いながらきいてきたからなんですね。

もちろん、子どもにはいろんなタイプがいて、

 

その子の言うことを周りの大人が補うことが必要な時期もあります。

 

例えば、頭の回転が速く、いろんなことを一度に思いつく子の場合、整理するよりも先に、「言いたいこと」がどんどん口から溢れてきてしまうので、

 

周りの人からすると支離滅裂な内容になっている場合もあるのです。

 

そんなとき、その子が、「変な子」扱いされないためにも、お父さんやお母さんの「翻訳」は、とても大切であったことでしょう。

しかし、いつまでもそれではいけません。

 

小学校中学年・高学年になってもなお、

「通訳者としてのお母さん」がいるようでは、国語力はいっこうに伸びてゆかないのです。

 

そんなとき、

 

「私の、僕の言いたいこと、分かるでしょ⁉︎」

 

とその子が言った場合に、

 

「いや、わからんけど。」

 

と指摘してくれる大人の存在が意味を持ってきます。

 

例えば、私(笑)。

 

 

家庭で親がしてゆくべきこと

 

でも、私とのやり取りはあくまでも「きっかけ」にしかすぎなく、私はその子と毎日一緒にいられるわけではないですから、

 

やはり、「ご家庭での受け答え」がポイントとなってきます。

 

ですから、ご家庭でお父さん・お母さんなど周りの大人がすべきこと。必要なこと。

 

それは、

 

「え⁉︎それってどういうこと⁈」

 

と聞き返す勇気です(笑)。

 

え⁈「勇気」⁈

 

そりゃぁ、勇気いりますよ。

だって、本人は、

 

「私の僕の言うことわかるでしょ。わかってよ。なんでわからないの⁉︎」

 

って逆ギレしてくるわけですから(笑)。

 

最初のうちは、勇気が必要です。

 

でも、慣れてくれば、

 

「人にも理解できるように、筋道立てて話をするのが当たり前」

 

となってきますから、大丈夫です。

 

「国語力」は、「相手の立場に立てる力」でもありますから、国語力が向上してくれば、いろんなところがいい形で進んでゆくことにもなります。

 

だからこその、国語力。

 

辛抱強く、粘り強く取り組んでゆきたいものですね。

 

 

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樟蔭中学校 国語

 

【入試問題の構成】

 

大問1→読解問題

大問2→漢字・ことば

 

【入試問題の分析】

 

《大問1》→読解問題 

 

説明文・論説文。

 

「読みやすい文章」という印象。量的にもちょうどよい感じ。

 

漢字・ことば・文法の問題と本文の理解を試す選択肢問題・記述問題がバランスよく出題されている。

 

記述問題が結構多い。

 

接続詞を入れさせる問題などの空欄補充問題、脱文挿入問題は、とてもよく作られている。

 

《大問2》→漢字・ことば

 

基本的な漢字・ことばの問題が並んでいる。

 

【対策の仕方、勉強法】

 

漢字・ことば・文法→ 基本的なものをしっかり定着させるトレーニングが重要。

 

読解→ 1つ1つの文を理解する理解力に加え、文章を構造的に全体的に把握する勉強が不可欠。

 

そのためにも、「この文章で言っていることを一言で言うとどうなるか」を、日頃から考えてゆくことが大切。

 

また、時間内に記述答案を書ききるためにも、本文のポイントに印をつけながら読み、短時間で要点を抽出できるようになっておく必要がある。

 

 

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単純化して考える

 

 

例えば、接続詞の問題が苦手な子の場合、原因は様々ですが、その1つとして、 

 

「接続詞の前後の関係がよく分かっていないこと」が挙げられます。 

 

そんなとき、「本文の内容、ことば、概念」を単純化して考えると、 

 

接続詞前後の論理的関係がグッと分かりやすくなります。

 

 

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聞き上手は、読み上手の⚪︎⚪︎上手。

 

お母さん:「うちの子に、読解力をつけて下さい!

 

このような相談を受けることは、結構あるのですが、それに対して、まず僕はこう答えることにしています。

 

私: 「ではまず、国語に触れる機会、文章を読む時間を増やして下さい。

 

そうすると大抵の場合、少しがっかりしたような顔をなさって、

 

お母さん:「やっぱりそれしかないですよね…」

 

私:「いえいえ。それしかないわけではないです。国語力をUPさせたいのなら、最低限、文章に触れる機会を増やすぐらいのことはやって下さい、ということです。」

 

お母さん:「なるほど。でも、算数もやらないといけないし、社会もやらないとならないし、理科もちょっと不安…」

 

国語を本当に伸ばしたいのかどうか、もう、よく分からなくなってきます(笑)。

 

いや、「読解力をつけたい。」という気持ちに嘘偽りはないのでしょうけれど、

 

算数も社会も理科も、と考えると、伸びるのかどうかはっきり分からない(ちゃんとした方法を取れば本当は伸びるんですけどね。)国語に時間を費やすことには二の足を踏んでしまう…

 

そんな場合はどうすればよいのでしょうか?

 

もう、国語はあきらめるしかないのでしょうか?

 

私:「そうですね。国語に時間をかけるというのはなかなかできないことですよね。そういう場合には、国語の勉強時間を増やすのではなく、日常生活で国語の勉強、読解のトレーニングをするようにすればよいです。」

 

お母さん(目を輝かせて(笑)): 「えっ!?そんな方法、あるんですか?」

 

私: 「はい。それは、日常生活で聞き上手になるようトレーニングして†ゆくことです。

 

読解問題というのは、特に論説系の場合、知らない人が書いた小難しい、どこに向かうのか分からない文章をじっと読み進めてゆく力が問われるわけです。

 

そこで問われる能力というのは、目の前の人がどの方向に進むのか分からない話をするのをじっとひたすら聴き続ける能力、すなわち「聞き上手」の能力と大いにつながる能力です。

 

じっと聞くことに加えて、

 

「学校の授業が終わったとき、そのときの授業内容を3つぐらいのポイントにまとめるトレーニングをしておくと、さらにいいです。『授業のポイント解説委員』っていうのが新しくできて、それをやってる、みたいななり切りゲームをすると楽しいはずです。」

 

お母さん: 「それ、いいですね。授業の内容だけじゃなくって、今日学校であったことを私にポイント説明させる、でもいいですか?」

 

私: 「もちろん、いいですよ。⚪︎⚪︎くん、恥ずかしがるでしょうけど(笑)。」

 

お母さん:  (横目でチラッと⚪︎⚪︎くんを見ながら)「お母さん、今日は先生からいいこと聴いちゃった。楽しみにしてるからね。学校であったこと話してくれるの。

 

聞き上手は、読み上手。

 

読み上手は書き上手で話し上手でもありますし、

 

相手の話を全身全霊で聴いてくれる、コミュニケーション上手、ほめ上手にもつながってゆきますね。

 

ですから、まずは聞き上手に。

 

そうすれば、本物の読解力をつけてゆく扉を1つ、開いたことになります。

 

参考にしてみて下さい。

 

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暗記科目から逃げてばかりいる子が、確実に記憶してゆくためのシンプルな勉強法

 

どの学年についても言えることですが、勉強すべきことは、大きく2つに分けることができます。

 

すなわち、

 

① 主に、「理解し考える」ことが重要な項目

 

②主に、「記憶する」ことが重要な項目

 

このうち、今日は②の項目につき、書いてゆきたいと思います。

 

例えば、理科の場合。

 

「理科・社会は暗記科目だから、覚えるしかない。覚えたら終わり。」

 

と昔から言われていますが、

 

実際には、いわゆる「暗記分野」(ホントは、「暗記分野」ではなく、「理解した上での記憶分野」ですが…)と「計算分野」に分かれ、計算分野で苦しむ子どもたちは、結構多いです。

 

逆に、算数などが得意で、理科の「計算分野」、てこや電流・水溶液などは得意なのに、

「暗記分野」に関しては、なかなか覚えられない、あるいは覚えようとしない、という子も結構います。

 

どちらかといえば、男の子に多いですね。

 

今日、問題にしたいのは、2番目のタイプです。

 

こういう子は、多くの子が苦手意識を持ちやすい「算数」が得意で自信を持っているので、勉強全体についても、割と自信を持っています。

 

それ自体はとても良いことです。

 

ところが、その「自信」が「うぬぼれ」、「面倒臭がり」につながってゆくと、

 

いわゆる「暗記科目」「暗記分野」がさっぱり、ということになってしまいます。

 

 

さて、こういった子の場合、どういう勉強の仕方を指示すれば、確実に記憶できるようになるのでしょうか?

 

それは、次のステップで勉強してゆくことです。

 

⬇︎

 

ステップ1: まず、時間を計りながら、「要点のまとめ」を記憶する。

 

ステップ2: その「要点のまとめ」についてのチェック問題、例題をやる。

 

ステップ3: 答え合わせをする。このとき、⚪︎×のみ付けるようにする。「正答を写す」ことはしない。

 

ステップ4: 間違えた問題につき、「要点のまとめ」を参照しながら考え、間違い直しをする。そのとき、間違えた項目については、「要点のまとめ」の該当部分に印をつけるようにする。

 

ステップ5: どうしても分からない問題についてのみ、解答解説を見て正答を書く。そして、「要点のまとめ」にも書き足しておく。

 

ステップ6: 以上のステップを、練習問題・演習問題などでも同様に行う。

 

⬇︎

 

 

これらのステップのうち、特に大切なのは、「ステップ3」です。

 

「間違えたら、×をつけてパッと解答を写せばいいや。」

 

という「ラクな勉強」をしていたのでは、いつまでたっても覚えられない、ということになってしまいます。

 

これが、

 

「間違えた場合、いちいち『要点のまとめ』に戻って見直して考えないといけない。」

 

となっていたら、

 

「そんな面倒臭いことはイヤだから、最初にしっかり覚えておこう。」

 

ということになり、記憶の質が変わってきます。

 

もう、真剣そのもの。

 

こんな風に進めてゆけば、しっかり記憶がなされていきますね。

 

 

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