子どもの出している「サイン」に気づく
家庭教師をしていると、気づくときがあります。
「あ、この子はいま、大人たちに気づいてほしいんだな。」
と。
例えば、不必要に、不自然な「作り笑顔」をする子の場合。
その笑顔の裏に隠されている、本当のその子の顔は、泣いていたりします。
でも、周囲の大人は、なかなか気づいてくれない。
「笑顔を振りまいている、明るい子」
ぐらいにしか思ってくれない。
もちろん、つらいとき、悲しいときこそ、笑顔になることが大事だったりもします。
実際にそうやって、乗り越えてゆくときもあります。
でも、いつもいつもそうやっていたら、一体どうなってしまうのでしょうか?
泣きたいときには、ちゃんと泣く。
涙を出し切れば、自然と笑顔になれる。
だから私は、そのように、「作り笑い」「見せかけの明るさ」を演じている子の前では、わざと暗い話をしたりします。
悲しいときには、悲しめばいい。
泣きたいときには、泣けばいい。
それができれば、前に進めるから。
暗闇を恐れる必要なんて、ないんだよ。
暗闇でひとりぼっちのときは、そうなんだから。
無理に明るくしたって、そこには影が伸びてゆくだけ。
自分自身の暗さを好きになれば、明るさだって、好きになれる。
そんな風に心の中で、そっとその子に伝えるときもあります。
ありのまま、その子が持って生まれた、
その「奥」を見つめて。
子どもたちは、可能性を秘めています。
もちろん、大人たちだって。
だからこそ、自然体で。そのままで。