「奇跡がキミを待っている。」~ 受験生に贈る本気のメッセージ①
はじめに
あなたがこの文章を入試まで余裕がある時期に見ているとしたら、あなたはラッキーだ。
なぜなら、今からお伝えすることを理解したなら、あなたは入試直前の受験生の気持ちをいち早く体験することができるからだ。
あなたがこの文章を入試直前に見ているとしたら、あなたはとてもラッキーだ。
なぜなら、今からお伝えすることを理解したなら、あなたは入試で自分自身の実力を最大限に発揮することができるはずだからだ。
あなたがこの文章を入試当日に見ているとしたら、あなたは最高にラッキーだ。
なぜなら、今からお伝えすることを理解したなら、あなたは入試本番で…
受験をする真の目的とは?
人はなぜ、受験をするのだろうか?
自分の力を試すため?
あるだろう。
夢を実現するため?
それもあるだろう。
かけがえのない仲間に出会うため?
それもあるかもしれない。
人はなぜ、受験をするのか?
私はそれに対して、こう答えたい。
「奇跡を経験するため。」
それはそう、突然やって来る。
あなたは、奇跡を経験したことがあるだろうか?
1度でも経験したことがあるはずなら、分かるはずだ。
そう、奇跡は突然やって来る。
何の前触れもなく、突然やって来るんだ。
本当に本当に、突然やって来る。
突然やって来るし、その時々によってその姿は違うから、
もうホントに訳が分からない。
でも、経験した人なら、分かるはずだ。
「これは、これは、間違いなく、奇跡だ!」って。
そして、少し経って、キミは微笑みながら、こう思うだろう。
「生きていて…本当に良かった…。」
自分自身が、微笑んでいることにすら気付かないはずだ。
微笑みながら、同時に涙を流していることにも、気付かないはずだ。
しかし、奇跡を体験したとき、キミは微笑む。
奇跡を体験したとき、キミは涙を流す。
そんな奇跡は、ある日突然、やって来る。
例えば、受験当日に。
受験当日に聴いた、自分自身の声。
私の場合は、まさにそうだった。
今からお伝えすることは、完全に実話だ。
私の生徒には、
縁あって受験生を指導させていただくことになったときには、
お伝えするようにしているお話だ。
人それぞれ、受験に対する本気度は違うものだが、
この話をすると、どんな本気度の生徒も、目を輝かせる。
前のめりになって、話を聴く。
人それぞれ、本気になる時期は違うものだが、
この話をすると、どんな行動をしてきた生徒も、本気になる。
その本気が入試までずっと続く子もいれば、
一瞬で終わる子もいる(笑)。
それはもう、人それぞれだ。
キミの場合はどうだろう?
それはもう、キミ自身にかかっている。
試験終了1分前。
僕は会場にいた。
数学の試験。
答えを塗りつぶす形の、マーク式の試験だ。
答えが…分からない。
解き方も…分からない。
答えも解き方も分からないが、1つだけ分かっていることがあった。
「この1問が分からなければ、自分の受験は終わる。」
理由は分からないが、そのことだけはなぜか、強烈な実感として、分かっていた。
「この1問が分からなければ、自分の受験は終わる。」
自分にできることは、もうなかった。
色々とやってみたが、解けなかった。
残り1分。
1分で解ける問題ではない。
答えが分からない。
解き方も分からない。
解き方が分かったとしても、解く時間はない。
どうする?
どうすることもできない。
…
そのとき突然…
聴こえた。
かすかだったが、聴こえた。
「3分の2」
え?
一瞬思った。
なんだ今の。
でも、時間がない。
だから、マークした。
「3分の2」
マークしたけど、何が何だか、分からなかった。
でも、マークした。
マークするしかなかった。
そのまま考える間もなく、
試験は終了した。
「あれ、何だったんだ?」
試験が終わっても、分からないままだった。
ガッツポーズと、不思議な感覚。
翌朝の新聞。
解答速報。
ドキドキしながら、僕は数学の答え合わせをしていた。
他の問題の答え合わせもし…
例の問題。
答えは、
「3分の2」
正解していた。
ウソだろ!?
ウソなんかじゃない。
「よっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と、心の中でガッツポーズした。
かみしめるような、ガッツポーズ。
奇跡。
あり得るはずのない、奇跡。
自分の力ではない。
いや、自分の力か。
だって、聴こえたのは、自分の声だもんな。
でも、解いたわけじゃない。
でも、正解した。
解いてないのに、正解した。
何だ、これ?
こんなこと、あるんだ。
なんだかとてつもなく不思議で、
とてつもなく強力な味方が自分についてくれたような、
そんな感じ。
入試本番ですべき、たった1つのこと。
…
そのときは、ただただそんな感じ、だけだった。
しかし、その後も僕は、経験することになる。
説明しようのない、不思議な経験。
奇跡。
今なら分かる。
当時の自分がどのようにして、
奇跡を経験したのかが。
どのようにして、
正解できるはずのない1問で、
奇跡的に正解することを、経験できたのかが。
決めること。
目の前の1問に正解する。
決めること。
時間がなくても、正解する。
決めること。
分からなくても、正解する。
「えっ!?じゃあ、カンニングしろってこと!?」
んなわけあるかーい!
カンニングはだめ。
そういうせこいことは、だめだよ。
分かってると思うけど、一応確認しとく。
カンニングは、だめ。
カンニングしたって、何もいいことなんてないんだから。
自分自身の力を、奪う行為なんだから。
だから、カンニングなど、せこいことは、だめだ。
カンニングせずに、正解する。
カンニングなんかしなくたって、正解できる。
決めること。
たったこれだけだ。
何が何でも、決める。
どんなことがあっても、決める。
どんな状況でも、決める。
結果を、決める。
そうすれば、決まる。
結果が、決まる。
忘れずに持って…いってらっしゃい。
「決めても無理な場合は、どうすればいいんですか?」
そういうのは、「決める」とは言わない。
本当に、本当に、本当に「決める」ことができたなら、
体験できる。
かもしれない。
「えっ!?」
当たり前じゃないか。
奇跡なんて、期待したって体験できないんだよ。
期待しているうちは、体験できないんだよ。
期待を手放して、
一切の期待を手放して、
心のどこかに、そっと、そっと、
「希望」を抱くのがいい。
そう、ゆるやかな、優しい、ほのかな「希望」。
ゴリゴリの、圧が強い「期待」ではなくって、
ふんわりと、ゆったりした、やわらかい、
「希望」。
一瞬ではなく、いつもいつも持っていたらいい。
入試当日の持ち物は何ですか?
と問われたら、
思い出してほしい。
「希望」。
優しい、優しい、希望。
思わずにっこりと微笑んでしまうような、
素敵な、希望。
いってらっしゃい。
優しく語りかけてくれるような、
ほのかな、希望。
希望は現実を、作ってくれる。
キミ自身の人生という、現実を。
いってらっしゃい。
奇跡がキミを、待っている。
2022年1月11日 教育家 石田栄嗣