お子さんを「信頼」していますか?
家庭教師の授業後に、ある生徒(小学校5年生の男の子。Mくんとします。)と、そのお母さんと3人でお話していたときのことです。
(Mくんの志望する◆◆中学校についての話で)
私:
「ところで、Mくんは授業中に、『◆◆中学校を本気で目指している。』と言っていましたが、
ではどうして塾で▷▷中学校(◆◆中学校より、偏差値ではレベルが上。)のコースに入ろうとしているんですか?
確かに▷▷中学校は、◆◆中学校よりレベルが上で、皆の憧れとなる中学校かもしれませんが、目指してもいない学校のコースに行く意味がありますか?」
お母さん:
「確かにそうですね。そこらへん、塾の先生にももう1回確かめてみます。
(Mくんの方をチラッと見て)、この子、◆◆中学校なんて、本当は行きたいと思っていないような気がするんですよね。
実は、▷▷中学校には実力的に行けないから、じゃあ◆◆中学校あたりにしとかないと、ってプライドで言ってるだけなんじゃないかって。」
Mくん:
「・・・」
お母さん:「うちの子、言わないと勉強しないし、放っておいたら、何も勉強しないので、自由な校風の学校に入ったら、勉強しなくなるんじゃないかって思うんですよね。それよりは、入ってから面倒見のいい、ビシバシ鍛えてくれる◯◯中学校あたりがいいような気がします。」
私:
「・・・」
お母さん:
「先ほどの、『▷▷中学校を目指してもいないのに、どうして▷▷中学校のコースに入ろうとするのか。」っていうことについてですが、
塾の先生は、『レベルが上の▷▷中学校のコースに入っておけば、あまり勉強をしない子も、周りの子たちを見て勉強するようになるから、もし▷▷中学校は無理となっても、◆◆中学校あたりには行けるようになる。』っておっしゃるんです。」
私:
「それって、子どものこと、信頼してないですよね!?」
毎年入試応援に行くと、子どもたちのお母さんがおっしゃることは、
『先生、もう私にできることは何もないです。あとは、黙って見守ってあげるだけです。』
っていうことなんですよ。」
お母さん(ハッとした顔をして)
「うちの子の場合もそうなれますかね!?そうなってくれたらいいんですが・・・」
私:
「私は今までいろんな子どもたちを見て来ましたが、
子どもたちはみんな、どんなに頼りない子でも、入試本番のときには、本当に『よく成長したな。これなら大丈夫だな。』っていう横顔を見せてくれるもんなんですよ。」
お母さん:(少し涙ぐみながら)
「そうですか・・・もう1度、この子ともよく話をしてみます。」
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あなたは、お子さんのことを信頼なさっていますか?
信頼するためには、どうすればよいと思われますか?