キミの悩みは、未来の誰かを救う。
ひょっとしたら、キミは今は悩んでいるかもしれない。
学校で、友達とうまくいかない。先生とうまくいかない。
仲良くしたいから、誰かに近づいてみる。でも、相手にされないかもしれない。
仲良くしていると思っていた友達が、実は自分のことをそんなに大切に思っていなくて、ショックを受けるかもしれない。
友達が欲しいのにできなくて、クラスのみんなが仲良く楽しそうに笑っているのを、ただ眺めてさみしくなっているかもしれない。
やっとできたと思った友達が自分から離れていって、結局またひとりぼっちになって、心がポッカリ空いてしまうかもしれない。
「なんで自分だけ、ひとりぼっちなんだろう?」
考えても、答えは出ないまま。
虚しい毎日がまた続くだけかもしれない。
「一体いつまでこんな生活が続くんだろう?」
つらくなって、投げ出したくなって、もう終わりにしたいと思うかもしれない。
自分の人生、ずっとこのままなら…
どうやって生きていけばいいんだろう?
そんな風に思い、夜空を見上げてお星様にたずねるかもしれない。
「助けて。」
そんな風に言って、答えを待ち続け、そっと1人で悩みを抱え続けるかもしれない。
でも…でもね…
そんなとき、思い出してほしいことがあるんだ。
この地球には、この広い広い地球には、キミと同じように悩んでいる人がいるっていうことを。
そして、キミと同じようにひとりぼっちでいて、たった1人で「助けて。」って言うしかなくて…
答えのない問いを出し続けて、すっかり疲れ果てて…
「もう嫌だ。なんでこんなにも辛いんだろう?」
そんな風につぶやいて…1人ベッドにうずくまりながら、すすり泣いている人がいるっていうことを。
「キミも一緒なんだね。」
「そうだね。一緒だね。」
「ひとりぼっちで、さみしいね。」
「そうだね。とってもとってもさみしいね。」
「良かったら、キミの話、聞かせてよ。」
「うん。キミの話も聞かせてね。」
理解し合える人がいる。
理解し合える仲間がいる。
同じように悩んでいる人がいる。
同じように悩んできた人がいる。
悩みを話す。
悩みを聞く。
悩みを通して、お互いを理解し合う。
キミが悩むということそのものが、悩みがあるということそれ自体が、誰かの救いとなる。
そして、救われたその人は、他の誰かの悩みを…そっと受けとめようとする。
誰かが悩んでいるとき、ただただそこに一緒にいようとする。
何をするでもなく、何を言うでもなく、ただそこに一緒にいる。
人と人が出会うっていうのは、きっとそういうことなんだよ。
人と人が通じ合うっていうのは、きっとそういうことなんだよ。
だから、今日、今この瞬間に、キミが悩んでいるということ。
悩んで悩んで、どうしようもなく悩んで…それでもまた悩んで…
そのことがね、そのことこそがね、
未来の誰かを救う可能性があるっていうこと。
みんなで悩んでいけば、絶対にそれは1人の悩みじゃなくって、みんなの悩みだっていうこと。
世界中のひとりぼっちが、それぞれひとりぼっちで悩んでいるのなら、それはもう、ひとりぼっちでも何でもなくって、
ちゃんと「みんな」なんだってこと、
思い出してほしいんだ。
大丈夫。
キミをひとりぼっちになんて、しないから。
僕がいるよ。
みんながいるよ。
だからきっと…今日も大丈夫。
今日が大丈夫なら、明日も大丈夫。
明日が大丈夫なら…ずっとずっと大丈夫なんだよ。
ひでつぐより