応用力、実戦力をつけるにはどうすればよいでしょうか?

 

目指している学校のレベルからすると、今の子どものレベルはあまりにも低すぎます。

「このままでは、どこの学校にも受からなくなってしまうのでは!?」と不安で仕方ないです。

 

そうですね。

 

「難関レベル」あるいは「最難関レベル」を目指してゆく場合、あるリスクを伴うことは確かです。

 

それは、

 

「難しいこと、応用レベルの内容に時間をかけすぎるあまり、基礎レベルに割く時間が少なくなってしまう恐れがある。」

 

ということです。

 

これは、科目を問わず起こりうることであり、最悪の場合、入試本番において、目指していた難関校ないし最難関校に合格できないばかりか、それよりも下のレベルの学校にも合格できない、ということになってしまいます。

 

「それは困る…だから、仕方ない。…志望校を下げようか…」

 

ちょっと待って下さい。あきらめる必要はありません。

 

なぜなら、先ほど述べたような「最悪の事態」は、間違った勉強法をとったから起こることであり、正しいやり方で応用力・実戦力をつけてゆくようにすれば、回避できることだからです。

 

では、具体的にはどうすればよいのでしょうか?

 

ちょっとした「たとえ話」を使って説明してみましょう。

 

いわゆるふつうの勉強の仕方をしている場合、「基礎的事項」について、そんなに深くは理解できていません。

 

そう、それぞれの勉強内容を「木」にたとえるなら、あまり根の張っていない、ヒョロヒョロの木が植わっている状態です。

 

この状態だと、いわゆる応用問題・発展問題が出題されたときに、太刀打ちできません。

 

「こんな問題、初めて見た。こんな問題、解き方知らない。」

 

ここで、結構な数の人たちが、間違いをおかします。

 

その間違いとは…

 

「植える木を増やす。」

 

ということです。

 

「この問題は解き方を知らない。だから、新たな知識としてインプットしよう。」

 

というわけです。

 

「え!?それの何が悪いの!?分からないんだから、学んで記憶する。それでいいのでは?」

 

最初のうちはそれでいいですよ。

 

今まで純和風の木しかなかったお庭に、ちょっと小洒落た外国の木なんかが加わってきて、にぎやかになる。ワクワクしてくる。

 

でも、ずっとそれが続いたらどうでしょう?

 

なんか数ばっかり増えて、ゴチャゴチャしてきて、何が何だか分からなくなってくるのではないでしょうか?

 

何が基本で何が応用で発展なのか、もう訳分からなくなってくる。

 

しかも、新たな初見の問題が出てくるたびに新たな知識を得ようとする、ということ、いつまで続けるんでしょうか?

 

見たことがない問題がなくなるまで?

 

そんなことあり得るでしょうか?

 

どんなに、見たことがない問題につき学習していったとしても、必ず、見たことのない、未知の問題が出てきます。

 

もう、キリがないのです。膨大な時間がかかってしまう。

 

しかも、その膨大な時間をかけて、応用発展レベルのことをやっているうちに、基礎レベルのことが、スコーンと忘れ去られてしまったりしたら、もう大変です。

 

どのレベルのことも中途半端。よって、どのレベルの学校も危うい(笑)。

 

「えー!?そんな最悪の事態になることって、あるんでしょうか?」

 

いくらでもあります。

 

いくらでもいます。

 

ある事項、例えば、面積についてはやたらとハイレベルのことまでできるのに、速さの単元については、教科書レベルすら危うい、というようなアンバランスな勉強の仕方をしてしまっている子が。

 

それが入試直前に判明したりなんかしたら、パニックです。

 

このような事態は、絶対に避けなければなりません。

 

では、どうするか?

 

「植える木の本数を増やす」のではなく、

 

「すでに植わっている木の根を太くし、木と木のネットワークを密にする」

 

ことを考えてゆけばよいのです。

 

応用問題が出てきたら、必ず基礎に立ち返って思考するようにする。

 

「この問題の根底にある考え方、概念はどこにあるのか?」考えるようにする。

 

分からなければ、教科書や参考書・ノートを調べてみて、それでも分からなければ、先生にきくようにする。

 

複数の単元につながりがあるような場合は、そのつながりを見抜き、頭の中でネットワークを形成しておく。

 

科目内のつながりもあれば、科目間のつながりもある。

 

そういうつながりを理解するように努める。

 

このような勉強をしてゆけば、1つの応用問題・発展問題を学ぶたびに、いくつもの基礎事項を復習し直し、バラバラだった知識同士を結びつけ統合してゆく、ということができるようになるのです。

 

そうすれば、

 

「応用・発展ばかりやっていったので基礎が疎かになってしまった。」

 

という事態は回避でき、

 

「応用・発展を通して基礎の理解を深める。」

 

という形で、バランスの取れた勉強ができるようになってゆくのです。

 

その結果、どのレベルの問題にも対応でき、どのレベルの学校にも合格できる、ということになります。

 

ですから、植える木は増やさない。たとえ小洒落た木があったとしても(笑)…ということですね。

 

参考にしてみて下さい。

 

 

勉強方法についてなど、教育相談はこちらからお問い合わせください。

 

合格できる人、できない人

 

入試結果

 

今年も無事に、私の生徒たちの中学受験・大学受験・専門学校受験が終わりました。

 

合格おめでとう☆♪

 

【中学受験】

 

清風南海中学校(スーパー特進、B日程)

愛光中学校

大阪教育大学附属天王寺中学校

奈良学園中学校

奈良女子大学附属中学校

土佐塾中学校

 

【大学受験】

 

白鳳女子短期大学 

 

【専門学校受験】

 

奈良医師会看護専門学校

 

 

なぜ「彼女」は合格でき、「彼」は合格できなかったのか

 

今年度は、5人の受験生の家庭教師をさせていただきました。

 

そのうち4人は、第一志望校に合格。

 

残りの1人は、第一志望校には合格できませんでした。かなり悔しく、残念な思いをすることとなりました。彼にはぜひ、この挫折経験をバネに、中学校・高校と自らの目標・夢を叶えていってほしいと思います。

 

さて、どうして、5人のうち4人は第一志望校に合格し、うち1人は残念ながら第一志望校に合格できなかったのでしょうか?

 

第一志望校に合格する人と合格しない人との間には、何か違いがあるのでしょうか?

 

たまたま?

運?

 

もちろん、それもあったかもしれません。

入試において「運を味方につけられるかどうか」は、非常に重要なことです。

どんなに実力があっても、運に見放されば残念な結果となることもありますし、

逆に、実力はそれほどでなくても、運を引き寄せられれば、例えば、苦手な科目の難易度がたまたま下がっていて、解きやすくなっていたりすれば、自分の実力以上の力を出し、合格できたりもします。

 

運の他にはないのでしょうか?

 

以下にまとめてみたいと思います。

 

第一志望校に合格できる人の共通点

 

① 謙虚に人の話を聴くことができる

 

これは最も大切な資質かもしれません。

 

教師の言うこと、教わったことを素直に受け止めて、大変だと思うことも、愚直に実践し続ける。

 

結果が出ないことが続いても、とにかく教師の言うことを信じ、結果が出るまでやり続ける。そうすれば、ある日突然、ぽっと結果が出る。

 

② 親に対する感謝の気持ちを忘れない

 

感謝の気持ち。これは全宇宙の中で最強の感情です。

 

ありがたい。

勉強させていただけることは、ありがたい。

 

ありがとう。

いつも励ましてくれて、支えてくれてありがとう。

 

こういう気持ちを持てていれば、勉強に身が入り、入試本番でも実力を出し切ることができます。

 

③ 絶対に油断せず、絶対にあきらめない。

 

油断しない。

 

「だいぶ力がついてきた。」

 

そういう状況でこそ、さらに合格を確実にするために、もっと力をつけようとする。

 

自分の力を過大評価しない。

 

「いくらやっても、まだ不安だ。」

 

そういうときこそ、もう一度自分を奮い立たせせる。

 

絶対に絶対に、最後まであきらめない。

 

そして、結果を出す。

 

 

第一志望校に合格できない人の共通点

① 謙虚さをもって人の話を聴くことができない

 

どんなに優秀で力・実績のある教師に教わったとしても、その教師の言っていることを、謙虚に素直に受け止めることができないなら、その指導は徒労に終わることでしょう。

 

「自分は力がある。」

 

そのように自信を持つこと自体は大事なことです。

 

しかし、経験豊富な教師から見て、足りない点、できていないところがあり、それを指摘されているにも関わらず、「いや。僕はちゃんとできているはずなんだから、うるさいことを言わないでくれ。」という頑固な姿勢のままでいると、失敗します。

 

せっかくの学び・気づきのチャンスをみすみす逃すことになってしまうからです。

 

特に「入試直前」という時期は、それまでの指導の集大成ともいうべき時期であり、その分、教師のアドバイスも、ピンポイントで効果的・実戦的なものとなります。

 

ですから、この時期のアドバイスは、たとえ耳が痛い、突き刺さるアドバイスであったとしても

いや、だからこそ、しっかり受け止めた上で、自分の中で消化する必要があるのです。

 

②親に対する感謝の気持ちを忘れてしまっている。

 

「中学受験は、お母さんの力が80%」とも言われるぐらい、子ども本人の力もそうですが、やはりお母さん・お父さんの力が鍵となります。

 

ところが、成績が上がってくると特にそうですが、

 

「頑張って勉強したのは僕/私なんだから、エラいのは僕/私。」

 

という勘違いにハマり込む場合があります。

 

こういう場合、残念ながら入試本番では力を出し切らずに終わってしまうことが多いです。

 

こういうパターンにハマり込んでしまっているお子さんを入試直前から担当した場合、

 

できる限り「感謝心の大切さ」を伝えようとはしますが、なかなか伝わずに終わることが多いです。

 

なぜなら、ただでさえ入試直前の時間がない時期に、一見入試とは関係なさそうな「感謝心」の話をし出したとしたら、

 

「先生、そんなこと、分かり切ってるから、早く勉強の話してよ。」

 

というふうになってしまうからです。

 

しかも、入試直前に家庭教師を始めたばかりで、信頼関係を築く時間もそこそこに「感謝心の大切さ」の話をしているわけですから、

 

「なんで出会ったばっかりのあなたにそんなこと言われないといけないんですか?」(笑)

 

となるのは仕方ないことだと思います。

 

 

③「あともう少し」というところで、油断したりあきらめたりする。

 

赤本などを用いた過去問演習は、入試直前まで、場合によっては入試前日までやったりするわけですが、

 

当然、思うような点が取れないこともあります。

 

そのときに、

 

「これは本番じゃない。練習なんだ。本番で最高のパフォーマンスをするために必要なことを学び身につけきるためにやっていることなんだ。」

ということにいかに気づいていられるか。

 

これはとっても大事なことです。

 

ここで、狼狽えてすっかり自信を失ってしまったり、もう半分あきらめて投げるような状態になってしまっては、絶対にダメです。

 

また逆に、点数が良かったからといってぬか喜びしてしまったり、まだ押さえるべきポイントがあるのにそれを疎かにしてしまったりするのも、いけません。

 

点数が悪かろうが良かろうが、

 

「練習は練習。

 

本番で結果を出すことが大事なのだ。」

 

ということを肝に銘じておくことは、何よりも大切なことであると言うことができるでしょう。

 

 

受験についてなど、教育相談はこちらからお問い合わせください。

 

 

やる気を出させる方法

 

「先生、どうすれば子どもがやる気を出すようになるんでしょうか?」

「やる気を出させるような指導をお願いします。」

「あの子は、ちょっとしたきっかけがあれば、やる気を出してくれると思うのですが…」

 

よくあるご質問、ご要望、つぶやき(笑)です。

 

僕が指導をする生徒さんには、親御さんもおられる話し合いの場で、このように言っています。

 

俺がキミにやる気を出させることはできない。なぜなら、やる気は自然に出てくるもんであって、無理やり出させるようなもんじゃないから。

 

でも、俺自身が勉強して受験して喜んだり悲しんだりしたときの体験、今まで指導してきた生徒たちの経験、そのときにその子らと一緒に感じたこと、こういうことなら話すことができる。

 

そういう話を通して、キミが何か感じるもよし、何も感じないもよし(笑)。

 

それはキミの自由だ。

 

そこからやる気が出てくるようになるときも、ひょっとしたらあるかもしれない。でも、それは結果であって、目的じゃない。」

 

こういう話をすることによって、心の中の導火線、「やる気スイッチ」みたいなものが入って、勉強をし出す子もいれば、そうでない子もいます。

 

それは、その子がその時にどういうステージにいるかによって変わってきますね。

 

ですから、私は、自分の指導によって生徒たちがやる気を出すようになるかどうかには、あまり気を配っていません。

 

だって、それはその子自身の選択であって、僕がどうこう言うことではないですから。

 

そういうところに気を配るのではなく、自分自身の体験、自分自身の思い、自分自身という人間をどれだけぶつけてゆけるか。そこに全力を賭けています。

 

これは私の考えですが、

 

「本当の意味のやる気」というのは、自分が1人になったときに、自分自身と向き合って、何かを感じ、思い、考える…そういった時間の中でこそ、瞬間的に生まれ、あるいは徐々に育まれてゆくものだと思うんですね。

 

ですから、親や教師が「子どものやる気を出させよう」と試行錯誤をしているうちは、残念ながら「本当の意味のやる気」は出てきにくい。「やる気を出させる」ことに成功したかのように見えることもあるかもしれませんが、長続きしなかったり、反動が激しかったり(笑)。

 

むしろ、周りの大人が半ばあきらめ、そういう「働きかけ」の類のことを一切やめたとき、子どもが1人で自分自身と向き合う瞬間に、「ふっ」と現れてくるもの。

 

それが「本当の意味のやる気」だと、私は考えています。

 

 

僕自身の経験です。

 

私は、中学生の時はかなり真面目に勉強をしていて、成績もそれなりによかったのですが、高校に入ってから、まったく勉強しなくなりました。

 

毎日ファッション雑誌を見たり音楽雑誌を見たりしながら遊んでばかり。

 

そんな息子をうちの親はかなり心配していたようです。

 

大人になってから両親から聞いたことですが、当時うちの両親は、私が「無気力症候群」なのではないかと思い、悩んでいたようです。

 

ある日、母親が本屋さんに行ってそれに関する本などを買って読んでみたところ…

 

「あっ、あの子は無気力症候群ではないわ。だって、勉強には全くやる気を見せないけど、その他のことには夢中になっているみたいだから。」

 

という結論にいたったそうです。

 

それからは、両親は私のことを「あきらめ」ました。文字通り、放任したのです。

 

そうすると、あら不思議(笑)、ある日突然、息子が勉強をし始めたではありませんか。

 

「どうしたんだろう、急に。何かあったのかしら。」

 

なんのことはない。

 

ある小説に出会い、その主人公に強い憧れを抱き、

 

「こんな人間に僕もなりたい。」

 

と、「夢」を持ってしまったので、「彼」は、自発的に勉強を始めたのでした。

 

まあ、スタートが遅すぎたため、一浪することにはなりましたが(笑)…

 

何かについて、心配したり働きかけたりする。そのこと自体はもちろん、必要なことでしょうし、また、大事なことでもあるでしょう。

 

しかし、そういった働きかけをしきった後に、

 

「もう、無理。あきらめよう。」

 

という、手放しの瞬間がやってくる。

 

そういう瞬間に、「何か」が起こる。そしてその「何か」は、より大きな「何か」につながってゆく可能性を秘めていたりする。

 

こういったことは、いろいろなことについて、私たちが経験していることなのかもしれません。

 

 

 

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