

今日は、午前中にふっと空き時間ができたので、兵庫県の摩耶山に行ってきました。摩耶山は、今回が初です。
「神戸でどこか自然と触れられるところに行きたいなあ。」と思いながら、「六甲山か摩耶山、どちらにしよう…」
こんな風にどちらの選択にするか迷ったとき、いつも僕は、「なんとなく」で決めます。
なぜなら、そういう感じで選択したときって、「こんなところにつながっていくんだ。」と、思わぬ展開に進んでいったりして、楽しいからです。
今回も…「んーっと、そうだなあ。なんとなく気になるのは…摩耶山だ。」
直観に導かれるまま、いざ、摩耶山へ。
JR灘駅を降り、坂バスで約10分。摩耶ケーブル駅に到着しました。
着いてみてビックリ。
とっても素敵な桜のアーチがお出迎えしてくれているではありませんか。
思いがけなく出会った桜の綺麗さに心を奪われつつ、ケーブルに乗り込みます。
「ケーブルカーに乗るのなんて、いつぶりだろう?」
久しぶりに乗るケーブルカーは、僕のテンションをいい感じで高めてくれます。
あっという間に着いた、ロープウェイへの乗り換え駅、虹の駅。
そのまま山頂まで一気にたどり着け…

ません。
今日はロープウェイは残念ながら、運休だったからです。
ケーブルカーに乗るときに、「ロープウェイは運休ですが、よろしいですか?」ときかれ、
「大丈夫です。山頂まで歩けばいいんですよね?」
と強気発言をしてはいたものの、山頂まで一気に行けるロープウェイの魅力も、やはり捨てがたい(笑)。
「しゃあない。しゃあない。今日は歩けってことなんや。大丈夫。日頃の運動不足を解消するためにも、ちょうどええわ。」
と、自分を奮い立たせ、いざ、山頂へ。
歩き出して間もなく、息が切れ始めるわたくし。
「俺ってこんなに体力なかったっけ!?」
日頃の運動不足を悔やんでも、時すでに遅しです。来たからには、登りきらなければなりません。
ゆっくりスローリーペースな私を、元気そうに談笑しながらスタスタと通りすぎてゆく中学生か高校生らしきお兄ちゃんたち。
「こんにちは!」
せめて挨拶だけでも元気に、と、満面の笑み!?で彼らを見送ります。

しばらく歩くと、おもしろい立て札を発見。
「立ち入り禁止」
なんですが、字がちょっと変ですね。
よっぽど止めたかったんでしょうか(笑)。
間抜けな立て札に癒されつつ、ちょっと元気になって、ひたすら歩きます。

歩いていくうちに、少しずつ体もペースを掴み始め、心地よい森林のエネルギーに触れながら、リズミカルに登ってゆきます。
そこに現れたのは…

「旧摩耶の大杉」。
幹周り8mもあるこの大杉は、なんと樹齢千年でありましたが、残念ながら、昭和51年の火災以来、徐々に樹勢が衰え、枯死してしまったとのことです。
死してなお威光を放つ堂々たる大木には、畏敬の念を感じずにはいられませんでした。

気持ちのいい山道を、いろいろな植物たちに触れながら歩いてゆくと、
あっという間に山頂にたどり着きました。

山頂に着いて真っ先にしたかったのは、雄大な景色のパノラマを見ること…
ではなく(笑)、
家から持参したお弁当を食べることでした。
妊娠中の妻が、しんどい体にもかかわらず一生懸命心を込めて作ってくれたお弁当は、とっても美味しくて、幸せな気分でいっぱいになりました。
お腹も心もすっかり満たされた後は、眼下に広がる景色を楽しみました。
でも、ゆったりくつろいでいたかというと、そうではありませんでした。
山頂に来るまでの間に、
「ここには絶対行ってみたい。」
というところができていたからです。

向かった先は、
「摩耶山天上寺」。
孝徳天皇の勅願によってインドの高僧法道仙人が開創なさったこのお寺は、
「安産腹帯発祥」霊場と言われており、本堂に祀られている「摩耶夫人」はお釈迦さまのご生母。キリスト教のマリア様に相当するということです。
とても穏やかな気分に満たされながら、本堂にて、妻と生まれ来る新たな生命の無事と幸せを祈願しました。
とても静謐な空気の中、目に止まったのは…

安産祈願のお守り。
1歳になる息子のための「子どもお守り」とともに、いただいて帰りました。
「今回、摩耶山に引き寄せられるようにしてやって来たのは、ここにお参りするためだったのかもしれない。」
そんな風に思えるほど、とても穏やかで満たされた気持ちで、お寺を後にしました。

途中、なんかオモシロい子たちに出会いつつ(笑)、

帰りもたっぷり森林浴を楽しみ、

もちろんケーブルに乗り込み(笑)、

摩耶ケーブル駅に戻ってまいりました。
「なんとなく」という、心の導きにしたがって本当によかった。
おかげさまで、とても穏やかで幸せな1日となりました。
本当にありがとうございます。